Jリーグ 2ndステージ第10節 この勝利を久高さんに捧ぐ・・・
1999年9月23日(木・祝) 曇りのち晴れ試合当日。その日の朝刊を見て私は驚愕した。「セレッソ大阪育成部 久高友雄 死去」。享年36歳。スタジアム入場
驚きのあまり、声も出ず、涙がスーっと流れてしまった。
「どうすればいいのだろう。」これから、広島に出発する準備で慌しい朝に、そう思い、時間がないがインターネットで情報を収集する。 昨晩は時間がなくネットサーフィンが出来なかったので、全く知らなかった。だが、色んなページを見ると、 すでにたくさんの書きこみがされており、概要を把握することはできた。
しかし、時間が無いため今すぐ出来ることがほとんどない。なんとか出来たことが、喪章の準備と、 サンフレッチェ広島のオフィシャルHPに、久高さんに哀悼の意を込めて、試合開始前に黙祷をするようにお願いするメールを送信した。 試合当日に、突然そんなことをお願いしても無駄かもしれないが、とにかくお願いしてみた。その時は、それぐらいしか出来なかった・・・
そして出発。家を出て、JR学研都市線に乗るが、なんと徳庵駅で信号故障。住道駅で45分も待たされた。
(かなりローカルな話題でスミマセン。しかし、急いでいる時に45分も待って、すごい腹が立ったもんで)
ようやく大阪駅についても、新大阪駅に向かう電車も、信号故障の影響で遅れて、新大阪駅に着いた時には乗車予定の新幹線は すでに出発していた。やむなく、次の新幹線に乗りこみ、広島へ、約二時間の旅。
広島駅に到着したのは、13時頃。大阪では晴れていたが、広島では、秋雨前線の影響で大雨。広島駅から路線バスで約10分で アストラムラインの本通駅に到着(料金は200円)。そして、アストラムラインに乗りこみ、広域公園前まで乗車。 約30分かかった(料金は片道470円。しかし一日乗車券なら900円と、往復買うよりお得)
広域公園前に到着した時には、さっきまでの大雨が嘘のように晴れてきた。すこし暑いくらいだった。
駅からスタジアムまでは、坂道を10分ぐらいでした。
左下の写真は、駅から見たビッグアーチ。真ん中写ってる白い屋根がそうです。
右下の写真は、駅のホームを出て坂道を見上げた所。照明の点いているのは、サブグランドだと思います。 ビッグアーチの隣にありました。
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10分ほど歩くと、やっとスタジアムに到着。入場して行く人はまばら。サンフレッチェ広島のスタッフの方々に感謝
到着して気づいたが、スタジアムの周りにはいっぱい駐車場があった。観戦客用の無料駐車場が1000台分ほど確保してありました。 確かに結構山奥なので、車で来場したほうが便利ですね。
だいたいキックオフ1時間前にバック南口から入場。でも中はガラガラ。 しかし、セレッソサポは座る場所はバラバラでも、レプリカユニを着ている人が結構いました。 人数的にはサンフレッチェと同じぐらいかな、と思いました。久高さんのこともあってか、 急遽遠征を決めた方もおられたのではないでしょうか。
下の写真は、私が座った場所から見たスタジアム内部の風景。
写真をクリックすると拡大された写真のページが新しく開きます。
キックオフ一時間前ということで、選手達はウォーミングアップをしていました。結構楽しそうに、また伸びやかに練習しています。
アウェイの練習風景はホームと違って結構明るいです。ホームではみんなピリピリしながらやっているような気がします。 いつもと違う環境で練習をし、大勢のファンの前で練習する時と比べると、言葉は悪いかもしれませんが、ちょっと羽根を伸ばしているのかもしれません。
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試合前に電光掲示板に表示される今日の対戦カード。これを撮るのが結構好きだったりします。
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選手達を見ていると、スタジアムの音楽が鳴り止み、アナウンスが突然おとなしくなった。そして試合開始
そして下の電光掲示板とアナウンスが。
スタジアムアナウンス
「先日の22日、セレッソ大阪の育成担当コーチ、久高友雄氏がお亡くなりになりました。〜中略〜 今日のセレッソ大阪の選手達は喪章をつけて試合に臨みます。〜中略〜ご冥福をお祈り致します。」
試合前にこのように電光掲示板に表示されました。
潟Tンフレッチェ広島にとって、久高さんとのお付き合い等はなかったかも知れませんが、それにも関わらず、試合前の貴重なお時間を久高さんの為に 割いて、このように電光掲示板での紹介をしていただきました。
私が黙祷をお願いする勝手なメールをサンフレッチェ広島HPに送ったことが、直接このような対応になったとは思いませんが、(きっとサポーターの方のお願いとか、セレッソのスタッフのお願いに耳を傾けて頂けたのでしょう) 電光掲示板に表示という手段で対応していただいたことに、深く感謝し、また感動もいたしました。
黙祷という行為が出来なかったのは、 恐らく、当日にテレビの生中継があり時間が割けなかったからでしょう。しょうがないですね。CS衛星生中継をごらんになった方は、 (試合中に実況アナウンサーがコメントしましたが) このようなことがあったことはご存知無いと思います。
この場を借りて、潟Tンフレッチェ広島のみなさんに深く感謝したいと思います。ありがとうございました。
いよいよ試合開始。彼らの左腕には喪章が付けてある。選手、サポーターに緊張が走る。前半開始〜ハーフタイム
今日ほど勝利を願った試合はなかった。 そう、久高さんのために・・・
選手入場
集合写真&円陣
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そして選手が各ポジションに散って、キックオフ!!!
試合開始。両チームパスは回るもののシュートまで行かない。 しかし、流れやボールキープ率ではセレッソの方が上。盧さんを中心とした攻撃で、右に左にパスが繋がっていく。 勢いはあった、しかしシュートが打てない。ハーフタイム
サンフレッチェの選手の中で、特に気を付けないといけないのは、FWの2トップ。高さのある久保とスピードのある森山。
高さと言う点では、セレッソのDFは対応が難しい。ペリクレスと蔵田の2人では、相手より早くジャンプしなければ競り勝てない。 そして、森山だが、これが本当にイヤな選手で、DFの裏をつく動きがすばらしい。そして正確なシュートもある。
セレッソとしては、とにかく2人をフリーにせず、きっちりマークするしかないと思った。
しかし、くしくも先制点はこの2人のコンビネーションから生まれた。
前半37分。サンフレッチェのゴールエリア手前で加地がオフサイドを取られ、サンフレッチェに間接フリーキック。 蹴るのはサンフレッチェGK下田。大きく蹴ったボールは、サンフレッチェの2トップの所まで飛び、それを久保がヘッドで落とす。 対応に入ったペリクレスだが、一瞬判断が遅く、久保と競ることが出来ずに制空権を与えてしまう。久保からのボールは、ゴールへ走り出す 森山の前に完璧に合った。すかさず蔵田が対応に入ったが、森山のスピードに追いつけずにシュートを放たれる。ボールは軽い弧を描き、 セレッソGK下川の頭上を超えゴールネットへ。サンフレッチェ先制 0−1
しかし、セレッソはあきらめない。「2ndステージは先制を許すと敗れる」というジンクスがあったので、 私は一瞬不安になったが、「今日こそは久高さんのために勝つんだ!」と思い、腕に巻いた喪章に力を込め、 「久高さん頼む!!」と願った。すると、その願いは通じたのか、セレッソが簡単に追いついてしまう。
前半39分。サンフレッチェが得点した約3分後、左サイドで得たフリーキックを盧さんが蹴る。 ゴール前の集団(恐らく黄さんのヘッドを狙った)に向かって飛ぶボールは、競り合いの中でこぼれ球となり、右で待っていた西谷の前に。 試合後「久高さんがパスをくれた」と語った西谷が、得意の左足で早い振りのたたき付けるようなシュートを放つ。 これが、相手DFの股を抜き、相手GK下田もすばやく反応するが、DFが壁になって少し反応が遅れ、 ボールはゴールへと吸い込まれた。セレッソが追いつく! 1−1
そして前半終了。1−1の同点だが、試合のペースは完全にセレッソが主導権を握っており、勢いが違う。 中盤での攻防も、サンフレッチェのプレスが弱く、セレッソのパスは難なく回せた。一方のサンフレッチェも、久保の頭に合わせた 攻めは見られるものの、中盤があまり機能せず、縦パス中心のサッカーに見えた。
「今日の試合には久高さんがついてくれている」 そんな感じがしたので、負ける気は全くしなかった。
ハーフタイムに入り、控えの選手達が練習を開始する。後半開始〜終了
サポーターが喜熨斗フィジコの名前を コールをすると、喜熨斗さんがグラウンドからお礼をしていた光景がおもしろかったが、 そんな中で、ひとつ気になった横断幕があった。それは下の写真のもので、
「ありがとう。久高友雄。我が心の友よ。あなたの魂はいつも共に・・・胸に刻み戦え。前進あるのみ!」と、書かれていた。
そう、忘れてはならない。私達には久高さんが、今も、そしてこれからもついていてくれることを。
そのことを忘れずに、久高さんと共に、私達はこれからも戦いつづけなくてはならないことを。
間もなく後半が始まる。しかし油断してはならない。久高さんが見守ってくれても、気を抜いてはならない。
久高さんが与えてくれたプロ魂を胸に刻み、戦って勝利し、久高さんを弔ってあげよう。私はそう思いました。
そして、後半が始まる。選手達がピッチに登場し、円陣を組む。たのもしい、頑張れ!!ヒーローインタビュー
後半に入ると、ホームのサンフレッチェが攻勢に出る。セレッソもひたすら耐えつづけ、カウンターで得点の機会を伺っている。 しかし、特に危ないとか、おしい!とか言う場面は少なく、中盤での攻防が続いていた感じだった。
そう感じたのは、私だけだったろうか。 見る人によっては、いっぱいあったよ、と思われるかも知れないが、左腕の喪章が、久高さんが、 守ってくれそうな、本当にそんな気持ちで観戦していました。
その願いが通じたのは、後半も半ばのことでした。
後半32分。中盤でボールキープした盧さんから、DFの裏、右サイドへ走りこんだ黄さんへスルーパス。 フリーになった黄さんは、慎重に右足インサイドでセンタリング。ボールは、ファーサイドへ大きく弧を描き西澤の所へ。 そこでフリーになっていた西澤がヘディングシュートでゴール 2−1
逆転に成功した。ここで注目したいのは、黄さんのセンタリングもさる事ながら、 西澤のコンディションが絶好調であることを示す、彼の動きに注目した。盧さんから黄さんにスルーパスが通った時、西澤は真ん中に、 つまりDFに囲まれた位置にポジションを取っていた。 そして、黄さんがフリーとなった時、DFがボールに(黄さんに)つられて一瞬西澤のマークが外れた。 その瞬間、西澤は黄さんとは逆のファーサードへ走りこみ、一気にフリーなポジションへ。それを黄さんが見逃すわけも無く、 正確なクロスが上がって行き、得点へと繋がったのである。
それからも、サンフレッチェは追いつこうと必死に攻撃して行く。なんとか攻撃を食い止め、1点差を守ろうとする。
そこで、レネ監督は動いた。疲れの見えてきた西谷に変えて、後半40分、原田を投入した。原田はいつものリベロの位置に、 そこにいた小川は守備的な位置の中盤に上がり、盧さんが少し左がかった位置に上がって行った。
中盤は小川にまかせて、盧さんを少し攻撃的に使う、このような采配が的中し追加点が生まれた。
後半41分。センターライン付近でボールを拾った盧さん。すかさずカウンターへ!相手DFは3人。しかし、攻撃的なポジションにいるのは、 盧さんと黄さんだけ。それでも、盧さんはドリブルをしていく。マークについたのは2人。後方からのタックルにも倒れない フィジカルの強さ。そして、残った1人のDFを引きつけた瞬間、ゴール前でフリーになった黄さんの前にパス。黄さんは右足 インサイドで軽くトラップし、キーパーが飛び出しているのをしっかり確認した後、軽く浮かしたシュートを放ち、 黄さんも得点王争い単独トップの20点目となるゴールを決めた。 3−1
もう試合は、ほとんど決まったようなもの。しかし、そんな時にアクシデントが。セレッソ陣内のゴールエリアで、 セットプレーの最中に西澤が相手選手にちょっかいをかけられ、怒った西澤がちょっと手を出してしまった。 なぜそうなったかも知らない主審は、サンフレッチェの選手にカードを出さずに、西澤にイエローを出してしまった。
アキよー、もっと大人になろうや。それじゃ、むかし女遊びで合宿を追い出されたり、はたまたこの前韓国戦ではレッドくらった 柳○と変わらんぞ!?
そんな西澤も、真中と交代。もうロスタイムに入っていた。しかし、これもレネ監督の采配なのか!?変わった真中が また決めてしまった。
後半44分(ロスタイム)。センターサークル付近でボールを拾った真中。そこからゆっくりドリブルするが、サンフレッチェも ほとんど上がっていたので中盤でのプレッシャーがない。相手DFもずるずる下がって行く。そこで、真中は得意のミドルを打つ。 そのボールはきれいなレインボー(川平J調)を描き、ゴールネットへ。ハーフタイムの時にフリーキックの練習で、 きれいなシュートを決めていたのがそのまま再現されたかのようなゴールだった。 4−1
そして試合終了。終わってみれば、4−1の完勝だった。
観客に挨拶し、サポーター席に歩いて来てくれた写真が下にあります。
下の写真は、みんなの表情がちょっと見やすいので、拡大した写真を残しました。
写真をクリックすると拡大された写真のページが新しく開きます。
試合後のヒーローインタビューは、黄さんだった。J−SPORTSで放送された 黄さんのインタビューを書きます。多少読みやすくなるようにアレンジしましたので、しゃべった内容と ちょっと違いますが要点はこんな感じです。感想
ご協力頂いた、荒波さんに感謝!!
インタビュアー 「今日のヒーローは今シーズン20点目となった、黄善洪選手です。おめでとうございます。」
黄善洪 「ありがとうございます」(日本語で)
インタビュアー 「今日はタフなゲームになったと思いますが・・」
黄善洪 「サンフレッチェのDF、ポポビッチと上村にかなりタイトなマークに付かれて なかなかシュートまで行けず、チャンスになりませんでした。かなり疲れました。」
インタビュアー 「そんな中、盧選手からのパスがチャンスを作りました。」
黄善洪 「彼からいつも良いパスをもらってチャンスになっていますが、今日は最後に 本当に良いパスをもらってよかったと思います。これからも彼から良いパスをもらって、もっと上位に行けるように頑張りたいと 思います。」
インタビュアー 「久高コーチが亡くなって、今日のゲーム、期する所があったと思うのですが。」
黄善洪 「ゲーム前にも社長の方から報告を受けまして、選手一致団結して頑張って、 ご冥福を祈りたいと思い、一生懸命ゲームをやって、その結果良い結果になってよかったと思います。」
インタビュアー 「これから少しお休みになりますが、良いゲームを期待しています。」
黄善洪 「残り5試合ありますが、もっと頑張ってもっと上位に行けるようにしたいので 応援のほうよろしくお願いします。」
インタビュアー 「ありがとうございました。」
選手みんなはよく頑張ったと思う。レネ監督も手放しで賛辞を送っていた。
何よりも、久高さんの弔いが出来たと思う。
挨拶に来てくれた選手を見送り、サポーターみんなで最前列に並び、 久高さんのコールをした。「オオォー、くーだか、オオォ、くーだか、オオォ、くーだかオレオレ。オオォ、くーだか・・・」 涙が止まらず、コールがあまり出来なかった。
しかし、出来る限り声を出し、久高さんを想いながら、空を見上げた。すると、雲の隙間から青空が。台風の接近が嘘のような青空。そこに、久高さんの笑顔が見えたような気がした。
ありがとう久高さん。そして、さようなら。この勝利を久高さんに捧ぐ・・・