項羽と劉邦
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坂本竜馬

項羽と劉邦
著者司馬遼太郎
新潮社・新潮文庫刊、全三巻
この作品を読んで中国史にハマッた人も多いと思います、それほどの傑作です。
司馬先生の作品の中でも明らかに1・2を争う作品だと私は思います、
中国史に興味のある方は是非、読んでもらいたい!そんな作品です、
私も中学生の時この作品を読んでから中国史にはまりました、
それ以前から小学生向けのダイジェスト版の三国志等は読んでいましたが
本格的に中国史物を読んだのはこれが初めてでした。
この作品はキャラクターの個性が恐ろしく強く、読んでいて非常に面白いのです、
あらゆる人間の典型がこの中に描かれています。
読み手は必ずその中に自分の好きなキャラクターを見つける事ができるでしょう、
ちなみに私は劉邦の参謀である、知謀百出の張良が好きです。
粗筋
紀元前三世紀半、秦王の政は中国史上初の統一を果たし、乱世に終止符を打った。
彼は皇帝となり、全国各地に自分の偉大さを知らしめるために巡幸を行なった。
それを違う場所で異なった感慨を持って眺めていた二人の男がいた。
一人は身の丈優れた若者である、彼は叫ぶ「彼、取って変わるべきなり!」
青年の名は項羽、今は亡き楚王国の名門項家の若者であり、
名将項燕将軍の孫である。
一人はただ羨ましそうにその行列を眺め
「男と生まれたからにはああなりてえなぁ」とため息をつくだけであった。
彼の名は劉邦、ハイ(すみません漢字が出ません、さんずいに市と言う字です)の
農民の子であり町のごろつきであり、取り得といえば
とてつもない愛敬と何か大きく人を[包み込むような包容力だけであった。
始皇帝が全国に敷いた法は人々を餓狼の如く、苦しめ、彼の死と共に起こった
陳勝・呉広の反乱を皮切りに
燎原の火の如く全国に燃え広がり天下は再び乱世に突入する。
この物語は天下を制する徳という漠然とした魅力を持つ劉邦が
山を抜く力を持つ項羽を破って天下を統一するまでの物語である。
新潮文庫版が手に入れやすいでしょう、全三巻であり、440円ですが、
手元にある本が古いため多少は値上がりしている可能性があります。




投稿本当にありがとうございました。