第二十九回(冷泉隆豊)

神代勝利

 

これぞ、神代勝利のおすすめ忠臣、『冷泉隆豊』

さて、重臣「陶晴賢」に裏切られた大内義隆は、
山口を追われ大寧寺にたどりついた。自己の命、
運尽き果てた(あたりまえだよな)ことを悟った義隆は、
死の準備をした。人々は、寺から出された湯漬けを食べながら
感概にふけったが、中でも冷泉隆豊は、
なまぬるい義隆に業をにやして去っていくものの多いうちで
ひたすら忠節をまもり、大内家のために身命を賭してきただけに思いは深く、
涙ぐみさえしていた。
まもなく門前にときの声があがり、敵が押し寄せてきた。
隆豊は弓を手に取り門の前に立ちはだかった。
「今、お屋形は腹を召される。
ここから一歩でも入るものがあれば容赦はせぬぞ!」
と大声で叫んだ。しかし、陶の人々にも立派な人々がいた。
敵の老武者が進み出て
「仰せのおもむきかしこまりました。
拙者指図してご自害までは一人も中には入れませぬ」
といったという。
隆豊は義隆を自害させ、解釈した後、障子などを遺体の上にかぶせ、
火を放ってすっかり燃え尽きるのを見守った。
武士たちは経蔵にこもって寄せてくる敵を
射って射って射殺したあと、自害した。
しかし、この隆豊さん、ものすごいことをしている。
なんと自分の腹から流血した腸をつかみ出し、敵に投げつけたという。

見よや立つ雲もなか空に
    さそひし風の末ものこらず
(隆豊、辞世)





投稿本当にありがとうございました。

戻る