江戸のお稲荷様
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濱野意忠

江戸で多数見かけられるものとして「伊勢屋、稲荷に犬の糞」と
称されている「お稲荷様」。
今でも、横丁をちょいと曲がるとそこかしこに祀られています。
「お稲荷様=稲荷神社」は、読んで字の如し元々「稲」を中心とした
五穀豊穣の神様です。
江戸市中で稲作が盛んだったなどとは聞いたことがありませんが、
こんなにも多いのは不思議です。
これは、江戸市中に数々建てられた地方大名の屋敷のせいです。
当時の経済を支えていたのはご存知の通り「米」ですが、
その米が沢山収穫できる様に、地方では敬われてしました。
地方大名が自国で信仰している「お稲荷様」を自分の
江戸藩邸に祀っていたためなのです。
ところが、人間とは都合のいいもので、「稲の神様」も次第に
いろいろな霊験あらたかだと解釈される様になっていきました。
ですから、農業と全く関係の無い庶民の間でも「お稲荷様」として
自分達の長屋の横丁に祀ったため多くなったと言われています。
あなたの家の近くにもいくつあるか調べてみては ?
ちなみに、私の住んでいる東京の下町では、半径300mの範囲の中に
分かっているだけでも、4〜5柱も祀られていますよ。





投稿本当にありがとうございました。