明智光秀 第二章

watanabe

1568(永禄11)年7月。光秀・義昭は美濃にいた信長と
面会した。信長は光秀を義昭の相談相手として優遇した。
まさか14年後にこの男に討たれるとは思わなかっただろう・・。
義昭は早速、信長に上洛してもらいたいことを伝えた。
「信長殿。もうごそんじのことではあろうが・・、
我が兄義輝は三好の者どもに殺されてしまった・・。
兄亡き後、弟の私が将軍となるはずのものが、奴らめ・・、
義栄めを将軍職に就けおって・・。信長殿、お願い申す。
どうかこの義昭とともに、京へ向かっていただきたい。」
これに信長が、「承知いたした。この信長、かならずや
義昭殿を将軍職にへと導いて見せましょう。」と答えたので、
義昭はうれしそうな顔をするばかりであった。
だが信長も内心ニヤッとした。
義昭を将軍にするために上洛するとなれば、
大義名分がたつというものである。
信長にとっては願ってもないことだった。
信長の心の奥に秘めた野望を知る由もせず、
光秀は信長に頼んで正解だった、と思うのであった。
そして9月、光秀は信長・義昭とともに
上洛するのであった。 (明智光秀 第三章に続く)





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