歴史小説13

神代勝利殿からの投稿

決戦!川中島合戦、その一

毘・龍の旗 春日山進発

「信濃へ・・・・出陣じゃ・・・・」
永禄四年八月十四日・・・
もう、越後には秋のさわやかな風が吹いていた・・・
春日山城には、謙信の軍令は、いまや遅しと思う将卒たちが
あふれかえり、謙信が出てくると、彼らは雄たけびをあげた・・・
(こんどこそ、信玄に一泡ふかせてやる・・・・・)
目の前にアリがたかってるかのような将卒を前に、謙信の心には、
すでに川中島の合戦のことで頭がいっぱいだっただろう・・・・
やがて、謙信が愛馬『放生月毛』にまたがって出てきた。
そんな彼に従う精鋭たち、一万三千。選び抜いた、最強の精鋭である。
春日山城をあとに、上杉軍一万三千は、
前線基地である飯山城で休憩したあと、
まっすぐに千曲川に沿って南下しはじめた・・・

一方、甘粕近江守の率いる騎馬武者三千は、
北国街道を南下していた・・・

信玄はというと・・・甲府にいた。
虎視眈々と謙信の動きを見ていたのである。
謙信の関東出兵の留守をあれだけかき回したのである。
もうそろそろ、精強な兵士達をかならず武田領になだれ込んで来るはずだ。
そんな、一人で考え事をしていたとき
「上杉軍川中島に軍を進めています!」
また、
「上杉軍は約一万三千っ!」
という速報も入ってきた。
信玄は、まっていたとばかりに武田領に動員令を下した。
この日を待っていた、とばかりに思っていた将卒たちは、
一隊、また一隊と甲府の町を出発していった。

その二に続く・・・・





投稿本当にありがとうございました。

戻る