通貨
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十兵衛

 日本の通貨は奈良前後から自国で生産されていたようです。
これは中国からの政治的、経済的自立を進めるための政策の一貫と
考えられています。政治エリート達は中国の文化が日本より進んでいる事を
認識していたのですが、天皇を「皇帝」として中華思想ならぬ「日本思想」を
建前として中央集権体制の確立を目指しました。しかし、唐の律令制度を
基礎にしたにもかかわらず天皇を独裁者として政治を行う体制ではなく、
一部の政治エリートによる寡頭政治という体制がしかれました。
これは貴族の権力を増大させる一方で地方の豪族を
強大化することにもつながりました。そして、武士集団の形成、
それによる幕府政治へとつながっていくのです。
 しかし、奈良後期、平安になると純銅の不足により銅銭の生産が
間に合わない状態になり中国の通貨が使われる事になります。
この状態は不純物を取り除く技術が発見される
戦国時代後期まで続きました。
 中国で生産された銅銭で最も有名なものは永楽銭で、
この銅銭は明の永楽帝が日本での使用のために特別に生産させた通貨で
戦国時代において広く流布しました。明の法律では銭の生産を
禁止していたので驚くべき事と言って良いでしょう。しかし、
これは明当局が中華の威光を示す絶好のチャンスと
捕らえた結果かもしれません。また、それは日本の経済自立の夢が
くつがえされたことにもなります。
 ただ、その後すぐに江戸幕府による統一通貨の鋳造がなされ
日本は晴れて経済自立を達成する事になります。その後、
明治に至って通貨は現行の「円」に変わり今に続いています。
通貨の歴史はその国の自立性を示す一つの材料であり、
またその国の誇りでもあり今もその概念は変わっていません。
 現在、インフレが激しい国々では米ドルなどが重要視され、
その国の本来の通貨がほとんど意味を無くしていることも少なくありません。
また、それが旧社会主義国や発展途上国に多いことも、
通貨と経済的自立が直結していることを端的に表していると言えるでしょう。

最後に・・・

 ということで、「円」に誇りをもってくださいね!
けして500ウォンとか削らないように・・・それにしても新500円玉が
自販機などで使えるようになるのはいつなのでしょう?
金色の500円玉は不便で仕方ありません。それから2000円札は
ほとんど出回っていないし自販機で使えないし、いらないと思うのは
私だけでしょうか?^^;





投稿本当にありがとうございました。

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